フェイクラブを仕掛けた側が、
相手に夢中になって求めていくようになケースが稀に起きます。
こちら側も複雑な心情を抱えています。
人に嘘をついてエゴを守ろうとする原因には、
子どもの頃、
大好きな人(おおよそ親)に繰り返し傷つけられた経験が関与しています。
素直に自分をさらけ出すよりも、
城壁を作って関係するほうがよいと知恵を持ってしまったのですね。
誘惑をした側にも関わらず、
心の深奥で隠し持っていた『愛への憧れ』にスイッチが入り、
相手を求めずにいられなくなります。
忘れていた愛撫の感覚や、
柔らかく心を包みこまれる温かさなどが、
その人に触れることでよみがえり、
恍惚に身を寄せていきます。
相手と会うたびに相手の存在が妙に大きくなっていて、
風光明媚な存在に映ります。
淡い期待の妄想と現実が交錯して、
夢中に追いかけずにはいられないというわけです。
フェイクを仕掛けて楽しむ余裕などなく、
あったはずの冷静さは失われ、
辛い恋にのめり込んでいくような感覚です。
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