密かに恋愛嗜癖をずっと抱えたままの人も多いって知っていますか?
今日はこれを掘り下げますね。
規範依存性や強迫性という人格の陰で、
自己のもつ性エネルギーに関して、
成長過程で上手に抑制をする経験が持てずに、
回避している傾向があります。
親が成績や世間体を異様に気にするタイプだったり、
過干渉で性に関することを拒絶するタイプだった場合。
早い子では10歳ぐらいから性の目覚めが始まります。
性エネルギーに関して子ども自身も今までとは違う感覚を覚えて、
戸惑っているにもかかわらず、
頭ごなしに拒絶や厳罰をすると、
その性エネルギーはかえって思春期あたりから暴発します。
異性関係や友達関係に逐一干渉し詰責詰問をしたりすると、
子どもは性エネルギーの発散を失い、
自室にかえってこもりやすくなったり(萎縮した自己愛)、
異性乱交関係へとつながることが多くあります(誇大自己の肥大化)。
内面性が極端となりやすく不健全な状態になってしまうのです。
子どもっぽい恋愛物語に憧れてしまったり(幼児退行)、
激しい情愛に興味関心を奪われるようになります(性的サディスティック)。
青春期の子どもから大人へと変化を遂げる一番難しい時期に、
上手く異性関係で交流が出来ないとコンプレックスになります。
異性関係におけるアイデンティティーの獲得に失敗をしているからです。
すると人の心は過剰な愛情スタンスを欲するようになります。
まず必然的に長期に抱えている対人恐怖と恋愛妄想が邪魔をするわけです。
・異性を相手にすれば緊張感が常に起こる
・セックスに自信が持てない
・自我の崩壊を回避したい
・ナルシズム(優秀・優等生)の崩壊を回避したい
これらの不安に対して一方で、
・異性に一番素敵って認められたい
・ご機嫌や高揚感を常に高く維持しておきたい
・ドラマティックな恋愛をして満たされたい
・自我の優位性を確保しておきたい
支配・優越欲が強くあります。
極端化した二つが入り混じって葛藤が人一倍になっています。
人一倍の愛情飢餓と承認欲求が混在しているのですね。
幼児退行にしろ性的サディスティックにしろ、
中身は一緒で、
ひとたび愛着対象を見つけたら「私(僕)に愛情をください」です。
どの事例にも共通しているのは、
愛し愛される相互性に欠けています。
俗っぽく言えばむっつりに見えても、
激しく求愛しているように見えても、
ひたすらに自己が安心することを求めた自己中心的な行動です。
落ち着くまで性愛関係に強迫的に執着しています。
そのため同じ失敗を何度も繰り返したり、
倒錯した行動になっています。
あくまでも自閉的な世界観に愛着対象者を引きずり込んで、
不毛な世界が果てしなく続いています。
強迫性があるために愛情希求を諦められない。
愛情を渇望するけれど、
しかし身についた劣等感や習慣からなぜか、
愛について自己懐疑に至って愛を回避してます。
優秀アイデンティティーの陰に、
①愛に優しく包まれる経験をする母胎回帰への依存
②激しい恋愛幻影への強迫的執着
③自我とナルシズムの崩壊を回避
以上の三点(依存性&強迫性&回避性)を持ち続けています。
あくまでも規範(言いつけ)を守ってなんとかやりくりしていた時は、
他人には境界性の問題について微塵も気づかれてはおりませんが、
プライベートな場や規範が崩された場合、
境界性パーソナリテイ障害を発症してしまうわけです。
恋愛嗜癖が隠れて残ってます。
メンタルヘルスが必要です。
メンツを保ちながらなんとか一人で回復できないものですかとよく聞かれますが、
ただ傾聴スタイルのカウンセリングでは解決しません。
境界性と恋愛嗜癖は生易しい問題ではありません。
とくに口唇期(乳幼児前期)までの形成不全がある場合は、
ほとんどご本人にも自覚がありません。
会話中に出てくる癖を見分けるセラピストの勘所が頼りになります。
ケースを沢山持っているセラピストに鏡になってもらうこと、
場合によっては嗜癖行動にストップをはっきりかけてくれる人、
また同性のカウンセラーをおススメします。
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